四次元パラドックスⅠ―争奪戦編―

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――どうする……どうすればいい!! そのとき、後方からこの場所に上ってくる一人の女性に気が付いた。 ここからは、無意識に体が動いた―――。 ――「グサッ」 生暖かい感触が、触覚を刺激する。 肉を切り裂き、臓器を破壊する感覚―――。 本当に無意識だった。無意識に俺は……人の命を奪ったのだ。 俺は腕を引き抜くと同時に、女性の魂を剣の姿に変換させる。 俺は悪くない……悪くない筈だ……だって仕方がない……仕方がなったんだ……そう自分に言い聞かせ、自分を正当化させようとする。 ――俺は罪を犯した。 そしてこれが、本当のはじまりだった。 生き残りを賭けたデスゲームの……。 手にした剣を構え、勢いよく踏み込む。不意を突かれた男は「グっ」と小さい呻きを発し、鎌で防御の姿勢を取ろうとする。しかし、俺はそれより早く0距離まで間合いを詰め、剣を振りかざす。 「ザンッ……」という静音は、すぐに車の音でかき消され、男の体から吹き出す鮮血だけが、非日常な戦いの終わりを告げる。 「これ……で……お前…も……同類……だ」
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