1人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
2
「うぅ……うん?」
ぼやける視界は、白一色だった。俺は、重い体に活を入れて起き上がり、辺りを見回す。
そこは、白一色の何もない四畳半。訳も分からず、困惑した趣で出口を探す。しかし、出口らしきものは見つからない。
「なんなんだ、ここ……?」
発せられた声は虚しく、白一色の空間に消える。
そのとき、自分の着ている服に気が付く。それは、全身淡いオレンジ色の胴と脚が一体となったまるで「囚人服」のような趣味の悪い服。
「おいおい……これはねぇよ」
そのとき、部屋の壁に、何かが浮かび上がった。
――おめでとうございます。
――あなたは、第一試験をパスしました。これは、四次元への第一歩です。
試験?四次元?何を言っているんだ……?
俺は鼻で笑うと次々と現れる文字列を追う。
最初のコメントを投稿しよう!