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明彦が湯気で霞む夜空を仰ぎ見ながら溜め息を吐くと、竹を並べたようなデザインの壁によって仕切られた向かい側から声が聞こえた。
(あの人達今まで何してたんだ?
……まぁいっか)
明彦はゆっくりと身を湯に沈める。
全身の筋肉と神経を緩め、安心しきった様子で瞼を閉じる。
「会長やっぱ胸でかいな!」
「ちょっ、神崎さん!?」
「そうか?
人と比べた事がないから分からんな」
「いやいや、これはなかなか……」
(またベタな話題を……)
「神崎さんいつまでに薫ちゃんのおっぱい揉んでるの!?
あとなんで薫ちゃんもなにも言わないの!?」
「ぶふぅ!!??」
予想外の展開に思わず明彦が勢いよく息を吹き出す。
「いや、スキンシップの一環かと……」
「にしてもやり過ぎだよ!?」
「そうなのか?」
「なにいってんだ、こんくらい普通だって!
ほれほれ、美華もなかなかでかいじゃんかよぉ!」
「きゃっ、ちょっ神崎さんやめっ……!」
バシャァッ――
「どうした?
顔真っ赤だぞ?」
勢いよく湯船から立ち上がった明彦に誠が不思議そうに尋ねる。
「いえ……
ちょっとのぼせたんで先上がります」
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