花束を壊して

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――グレーのタキシードに身を包んだ稜ちゃんと目が合うと、彼は私ににこりと微笑んだ。 途端に胸が苦しくなって、私は彼から視線を外す。 彼のすぐ隣には、純白のドレスを着て、花のように美しく微笑む麻里絵さんがいる。 彼から結婚すると聞かされた時、私は彼に一度でいいから抱いて欲しいと詰め寄った。 抱えてきた想いは、私の胸の中でぎりぎりまで膨れ上がり、今にも溢れてしまいそうだった。
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