First.24

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気にしたって仕方ないし、さくらさんだって辛い思いを抱えているって分かっているけど。 やっと少しだけ縮まった距離が、また元に戻ってしまいそうで怖い。 相模くんが手の届かないところに行ってしまいそうで怖い。 「…三上」 家庭科室から残りの材料を全て持ち出して教室に戻る途中、仁科先生に呼び止められた。 「あ、…」 先生とのこと、ちゃんとしたい。 相模くんに迷惑かけたくない。 先生も、私と話をしたいようで、 「佐藤。ちょっと三上に話があるから、…」 申し訳なさそうに梢を見る。 相模くんを殴ったという噂をもちろん知っている梢が、心配そうに私を見るから、大丈夫って頷いた。 「先に戻ってるね」 励ますように笑いかけてから、梢が立ち去った。
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