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「なんで俺が、銀のダンスなんか、…」
ぶつぶつ言いながら、相模くんが空を仰ぐ。
相模くんの銀色の髪が、風に揺れてキラキラ輝く。
「…キス」
ややあって、ぶすくされた感じを隠そうともせずに、相模くんが私を見た。
「…はい?」
「しろ。お前から」
漆黒の瞳がちょっといじわるに瞬いた。
キス、…しろ?!
意味を理解したとたん、自分の顔に体内の熱が全て集中するのが分かった。
な、な、な、…
なんで改めてそんな恥ずかしいことっ
相模くんから視線をそらせて、じりじり後退すると、頭の後ろに手を添えて阻まれた。
「なんだよ、その反応」
相模くんが唇の端をもたげて、おかしそうに私を見てくる。
見られると見られるだけ、顔の赤みが増す気がする。
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