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「ほら、早くしろよ」
相模くんが長いまつ毛を閉じて、私に顔を近づけた。
完全に遊ばれているのが分かるけど、改めてこの整った顔に自分からキスなんて、ハードル高いよ。
「銀のダンス、観たいんだろ?」
片目でチラリと様子をうかがう相模くんはいじわるだ。
でも。
ちょっといじわるで、楽しそうな相模くんもどうしようもなく、好き。
こんな風に、力の抜けた表情も、独り占めしたい。
相模くんの服をつかんだまま、ゆっくりゆっくり近づいて、瞳を閉じた。
形の良い相模くんの唇にそおっと触れると、柔らかく受け止めてくれる。
恥ずかしさはあるけれど、それよりも、なんだかものすごく幸せな気持ちが込み上げてきた。
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