First.24

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さりげなく、相模くんを見上げてみても、ポーカーフェイスで考えは読めない。 久世くんが叫んだ時は少しだけ顔をしかめて、 「覚えてろよ」 小さくつぶやいていたけれど。 その後もずっと、手はつながれたままだ。 こんなの。 期待してしまう。 私のこと、噂されてもいいんだって。 好きって言ったこと、受け止めてくれたんだって。 好きでいて、いいんだって。 つないだ手はすっかり熱を帯びていたけれど、離したくなかった。 出来ることなら、このまま一生、離したくない。 手に力を込めると、軽く握り返してくれた。 どうかこのまま。 どこにも行かないで。 沙羅さんのところに。 行かないで。
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