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「…ん」
体育館でのダンスパフォーマンスが終わった後、クラスのクレープ屋に戻らなければならないことを思い出し、そう告げると、相模くんが着いてきてくれた。
だけでなく。
うさ耳を付けた私を引き寄せて写真を撮っている。
その様子は、クラスメイトにもお客さんにもものすごく注目され、…
「さな。顔上げろ」
恥ずかしくて今すぐ逃げ出したい気持ちと、相模くんに特別扱いされて嬉しい気持ちとで、どうにも落ち着かない。
「…っ!!」
相模くんがそのきれいな顔を斜めに傾けて、軽く私に口付けると、周囲が一斉に息を飲むのが分かった。
…死ぬかも。
もはや呼吸さえままならない私とは裏腹に、相模くんはその写真を携帯で送ると、片頬を上げて満足そうにしている。
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