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「群星、ひどいよ! 何にも言わずに急に帰って! 沙羅だって、…っ」
相模くんに甘えるようにしがみつきながら、さくらさんが高い声を響かせる。
さっきまでとはまた違う緊張感が、瞬時に周囲を包む。
「…あれって、…」
「sara、…だよね?」
「すご、…可愛いっ」
「てか、…大胆!」
さくらさんはsaraという名前でモデル活躍をしているけど、かなり世間に知られている。
普通の高校で、男子生徒に抱きついていたら、注目されて当然だ。
それも、ただでさえ注目されている相模くんに。
「…さくら。騒ぐな」
相模くんがさくらさんの腕に手を乗せると、さくらさんはわめき立てていた言葉を飲み込んで、相模くんの腕を両手で抱きしめた。
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