First.24

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いつの間にか、ずっと相模くんとつないでいた手が外れていた。 相模くんが見せてくれた甘い空気は、もうどこにも漂っていなかった。 「紗南ちゃん…」 心配そうに私を呼ぶ、梢の声が聞こえた。 …やっぱり。 2人の姿から目をそらせて、クラスメイトに紛れようと後退する。 やっぱり、こうなるよね… 何度思い知らされるんだろう、私は。 「さな」 でも。 後退った私を、相模くんの低い声が呼び止めた。 「話してくる」 相模くんの漆黒の瞳がまっすぐに私をとらえる。 「戻ってくるから、ここにいろよ」 大きな手で、私の頭を一撫でする。 胸の奥が熱くなって、馬鹿みたいに何度も頷いた。 …戻ってくる。 相模くんは目に優しい光を浮かべて私を見ると、さくらさんを連れて教室を出て行った。
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