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「前に、三上を保健室まで連れて行ったことがあっただろう?」
先生が椅子に座って、膝の上で両手を組む。
話の流れがつかめないまま、頷く。
「あの時、眠っている三上に、…キスした」
突然の告白にぎょっとして先生を見ると、先生は苦い笑みを浮かべていた。
「卑怯だよな、寝ている相手に。…ごめん、抑えられなくて。で、それを相模に見られた」
「…え」
思わず声に出すと、先生は苦笑いのまま頷いた。
「取り繕うことも出来なかった。相模は、その時も超然としていたけど…」
あの時。
まだ、先生に片想いしていると思っていた頃。
保健室で寝てしまって、それからどうしたんだっけ。
「…紗南は俺のだからって、言い切られた」
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