First.25

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相模くんの腫れた唇の端を思い出す。 相模くんは私のせいでそんな目にあって、 あのきれいな顔に傷跡を残した。 申し訳なくて、いたたまれないけど、先生のことも責める気にはなれなかった。 「相模、…なんにも反撃しなかった。言い訳も」 顔を上げると、優しい目で、先生が私を見ていた。 「…分かってる、って、言ってたよ」 分かってる? 「いろいろ悪あがきしたけど、…三上のこと、ちゃんと諦めるから」 先生は、何かを吹っ切ったように、爽やかな顔をしていた。 「相模と、…仲良くな」 私の頭に手を伸ばすと、ポンと軽くバウンドさせた。 「…先生」 結局。 私は先生に何も出来なくて。 何も言えなくて。 ただ、ひどく傷つけただけ。
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