First.25

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「ごめんなさい。…ありがとう」 余りあるほどの想いをもらって、大切に大切にしてもらって、…なんにも返せなかったな。 なんだか泣きたい気持ちだった。 先生が優しく髪をなでた時、何の前触れもなく、唐突に準備室のドアが開いた。 振り向くと、 …え? 「…泣かされてんじゃねえよ」 相模くんが入ってきて、私を隠すように抱き上げた。 …え? 突然包まれた、相模くんの胸の中。 温かくて、嬉しくて、胸の奥がギュってなる。 「…大事にしろよ」 後ろから先生の声が聞こえてきた。 相模くんは私を抱きかかえたまま、 「るせ、…」 小さくつぶやいて、生物準備室を出た。 よく分からないまま、相模くんに担がれていたけれど、にわかに大注目を浴びていることに気づいた。
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