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相模くんを好きな気持ちしか、分からなくなる。
どこまでも溶かされて、ただ、幸せで。
「待ってろ、って言っただろ」
酸素を求めて喘ぐ私とは対照的に、みじん も息を乱さずに、相模くんが私の額に額をぶつけた。
至近距離で、漆黒の瞳が鋭く光る。
熱に浮かされたまま、相模くんを見ると、
「…ったく」
相模くんが少しだけ怒ったように、また口づけてきた。
「…好き」
私は、馬鹿なのかも。
相模くんが好きで、私には他に何もない。
「…ずるいな、お前は」
相模くんがため息まじりにつぶやいて、私を強く抱きしめた。
ずっと、そばに居てほしい。
沙羅さんじゃなくて、私のそばに。
思い出したとたん、胸がチクリと痛んで、ほんの一瞬、無意識に身を硬くした。
「…どうした?」
それを相模くんは敏感に感じとったらしい。
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