First.25

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相模くんを好きな気持ちしか、分からなくなる。 どこまでも溶かされて、ただ、幸せで。 「待ってろ、って言っただろ」 酸素を求めて喘ぐ私とは対照的に、みじん も息を乱さずに、相模くんが私の額に額をぶつけた。 至近距離で、漆黒の瞳が鋭く光る。 熱に浮かされたまま、相模くんを見ると、 「…ったく」 相模くんが少しだけ怒ったように、また口づけてきた。 「…好き」 私は、馬鹿なのかも。 相模くんが好きで、私には他に何もない。 「…ずるいな、お前は」 相模くんがため息まじりにつぶやいて、私を強く抱きしめた。 ずっと、そばに居てほしい。 沙羅さんじゃなくて、私のそばに。 思い出したとたん、胸がチクリと痛んで、ほんの一瞬、無意識に身を硬くした。 「…どうした?」 それを相模くんは敏感に感じとったらしい。
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