First.25

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相模くんの口から沙羅さんの名前を聞くだけで胸が軋む。 相模くんの方を見られない。 消えてしまいたい。 「さな。こっち向け」 相模くんが私の頬に手のひらをのせた。 「お前、…妬いてんのか」 醜くて、情けなくて、泣きたい。 面倒くさいヤツって思われたくない。 唇を噛み締めて、硬く目をつむった私に、相模が軽く口づけた。 驚いて見ると、相模くんはなぜか楽しそうにさえ見える表情で、 「…馬鹿」 何度か軽いキスを繰り返す。 だって…。 涙がにじむ。 相模くんの1番近くにいきたいよ… 相模くんは、目尻に唇を寄せ、涙にも口づけた。 「泣くな」 相模くんの漆黒の瞳が、私を見つめて、熱く揺れる。
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