昼下がりの身勝手

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出かける時はいつも子供と一緒。 お洒落なレストランやカフェには行けないし、夜飲みに行くなんて問題外。 一人で出かけるのは三カ月に一度の美容院の時だけ。 実家の母にお願いして、3時間だけ預かってもらう。 その間、極度の人見知りであるリンは、喉が枯れるまで泣き続けているらしい。 「この時期は難しいわね」と苦笑いを浮かべる母に、3時間以上預けることは難しいのが現状。 今日も消音にして絵だけ動くテレビ画面を横目で見ながら、スヤスヤと眠るリンの寝顔に視線を落とす。 世界で一番可愛くて愛しい存在。 リンが居れば他に何も要らない。 私の中に確かに存在する母性。 その一方で、別の感情が存在しているのも確か。 このまま一生、家族の為だけに生きて死んでいくなんてつまらないと思っているもう一人の自分。 贅沢な悩み。 幸せだから思えることだ。 小さな不満を一つずつ消去するように自分自身に言い聞かすけれど、今日消えたそれは明日には形を変えて再び現れる。 リンの笑顔を見ても、夫と会話をしていても、それは決して消えて無くなることはない。 小さな塵みたいな不満は、幸せを全身で感じている瞬間だって、私の心の隅に居座っている。
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