これから・・・(後編)

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「これは?」 「俺の刻印さ、もし誰かが偽物を作って君を陥れようとしたら本の刻印を使って。本物はこの刻印の主に認められた人物ですって。まぁ簡単に言えば製作者はイシュリアちゃんだって俺が保障するってことだ。」 「ふぇっ!いいんですか?そこまでして頂くのは悪いんですが。」 「いいのいいの!俺さ最近錬金術の仕事よりも書類仕事ばっかり増えてうんざりしてたんだ。きっかけは何であれ外の空気を吸えて嬉しかったし、今もこうして君が誘ってくれたおかげで外にいる時間が増えた。だからそのお礼♪」 「・・分かりました、ありがたく刻印使わせて頂きます。でも良かった気分転換になって、ババ様からお城の仕事は大変だったって聞いていましたから。」 「ババ様?そういえば名前しか聞けてなかったね。苗字はあるのかい?」 「はい、苗字はアルケミィです。ババ様はマロウ・アルケミィ、ハインツさんと同じ錬金術師と聞きました。」 ガタッ 「ま・・・ま・・マロウだって?」 ギギギ・・と顔をこちらに向ける。 「はい、訳あってお世話になっています。どうかされましたか?」 「いっいやその・・・ん?という事はマロウの弟子なのかい?」 「そう言えばそんな感じに言われたような・・・。」ガシッ 「本当か!」 肩をつかむと疑うように目を見られた。 「はっはい。あの・・・ババ様の知り合いなんですか?」 「知り合いって言うか俺、マロウ・・・いや師匠の弟子なんだよ。」 ・・・・・・・へっ? 「ええっそうなんですか!?」 お城に弟子がいるって言ってたけどハインツさんの事だったのか。 「そっ、んでもってイシュリアちゃんの兄弟子になるわけだ。」 今までババ様弟子を取ってなかったのかな?なんだか嬉しそう。 そうだ! 「でしたらハインツさんではなく兄様(あにさま)と呼んだほうがよろしいのでしょうか?」 ぐはっ あっでもどうなんだろう・・・兄弟子様が言いづらくて略したけど普通に先輩のがいいか? 「(あにさま・・・やべーまじかわいい。)」 「あっ変な呼び方ですよね。なおしまs「大丈夫問題ない!!」・・はっはい。」 本人がいいならいっか。 「では兄様、今日はありがとうございます。お城に戻っても元気にしてくださいね。」 パタン 後日談 城に戻ったハインツはいつも以上に仕事に励んだという。 メイドの一言「時折ニヤニヤして気持ち悪いです。」
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