不満なんてありません

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「あ、もしもし? 悠木くん?」 居酒屋の前で電話をかける。 これから二次会に向かう人たち、帰宅する人たちに分かれ、各々歩き始めていた。 「うん。今終わったとこ。これから帰るね」 去っていく同級生たちに手を振り、私も帰ろうと一歩を踏み出す。――と。 「琴音」 訊き慣れた声が名前を呼んだ。 「……悠木くん?」 「うん。ほら、帰るよ」
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