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そうは言っても虫が大の苦手だった優は一度断ったのだが悠の一言。 「だいじょーぶだって!!俺が付いてんだから」 この一言により、押しに弱い優は渋々着いていく事にした。 そして悲劇が起こったのは山の中での出来事だった。 夏ということもあってかやはり山の中には虫が沢山と動いており、蝉、蚊、蜂、ムカデなど優にとっては身の毛がよだつほど恐ろしい場所だった。 優は男ながらもその時はお化け屋敷に入った、か弱い女子のように身体が震え、悠に抱きついていたのを覚えている。 今となっては抱きついた事は恥ずかしすぎて軽い黒歴史となっているのだが本題は麗奈の一言だった。 「ねぇねぇ……蜂ってさー、食えるらしいよ」 それを想像した優はあまりの気持ち悪さに身体が少しビクついた。 口にいれてもないのにまるでそこにあるかのような蜂の脚や針、触角の感触。 想像しただけでここまでなってしまう虫への嫌悪は病気レベルだった。 その時も悠に抱きついていた為、身体がビクついた事に気づいた悠は笑っているが優からすれば地獄だった。 ため息を吐く優、すると耳には絶対聴きたくない音が聴こえたのである。 まるで小さな羽を何度も動かしながら風を切るような音。 この音に優は聞き覚えがある。そう、蜂の羽ばたく音だった。
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