出発点

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私と肩がぶつかった方は、名前が少女漫画にいかにもでそうな感じのお方で、しかも編集長。 見た目は仕事疲れからかげっそりはしているが、若干茶髪がすごくお似合いなお方…。眼鏡外せばいいのにとも思ってしまう。 身長はおそらく、180前後はあるであろう美脚もちな人。 少女漫画はともかく、雑誌関係に仕事がつくということで、観察を癖づけなければとして私は編集長を観察の標的(ターゲット)にはしていて、しかもそれは編集長こと、今井さんにはさぞ迷惑であろうことなのだが、やってみるとやめられず、案外これが面白い。 編集長のデスクの前に立ち、私はそうして黙ったままの今井編集長を観察していれば、私の挨拶の言葉より先に、今井編集長の口が開いた。 「えっと・・職場体験でもきたの?」 はい、ありえない。 私がたとえ、身長155㎝だからってそれはない。 そもそも、この人は職場体験がここであると知っているのか。どこでどう、それを把握してしまったのだと思ってしまう。 本当にこればかりは、苦笑いしかできない…。 もうどうにでもなれ。 .
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