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某アニメの父親キャラクターのように、顔の前で手を組みじっとわたしを見つめる。
「社会人なり立てな顔してるね・・・。ま、こういう経験もまだないだろうけど、まずは見てて。」
ふっと微笑む編集長に少しときめきながら、私は頬を赤くしていないかと胸をちょっと高鳴らせて相槌を打つ。
それから一か月くらい、私はとある担当編集者さんとつきっきりでお仕事して、仲良く話したりアドバイス貰ったり。印刷の方の先のばしを電話でお願いしたり、ドタバタしながら、一応一通り基本は覚えたつもりで。
と、していると、編集長からお呼びをもらった私はなにごとかと、急いで駆け寄った。
デスクの前に立つのは久々ではないけれど、何かが違う空気と、編集長という目上の肩を前にして、地味に緊張しているわけで。
少し体を強張らせながら、編集長の声に耳を傾けた。
「いきなりで悪いが、とある先生の担当をしてもらいたい。」
突然の願い。それは、初の担当を受け持つことだった。
私は唖然としたが、泣きそうでもあった。ここまで頑張ってきたかいがあったと身に染みたのだ。
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