第1話

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こんなメールが送りつけられる様になって二週間。 誰一人死んではいないし、昼休みに土下座をした人間もいない。 でもネタとしては、いいものを提供しているので、 男女問わずに共通の話題になって、盛り上がりを見せている。 携帯を見ながら席に座ろうとした時、 「おはよう」 「おはよう品川」 品川は幼稚園の頃から腐れ縁だった。 葉山第一高校に入ってからも一年、二年と同じクラスで、 兄弟のように育ってきた。 親同士も中学から仲の良い同級生同士で、家族ぐるみの付き合いだ。 「お前の所にも来たんだ。実は、俺の所にも昨日きたぜ」 「マジ?」 「お袋に見せたら、『何これー! 面白いわね』だってさ」 「お前のお袋さんらしいな」 電気信号になって不幸の手紙は、 容易に飛ばす事が出来て、手軽になったのね。 昨日、母親が言っていた事をふと思い出した。
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