第1話

7/15

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
と言いながら、秦野は品川の頭を、思いきり叩いた。 なかなかいい音が聞こえた。 「痛ってえな! 暴力女!」 品川は気付いていないが、 秦野は彼の事が好きなのだ。 小学生の男子が、 好きな女の子を苛めるそれに似ている。 秦野は少し不器用なところがあるから、 これが彼女なりの愛情表現、アピールなのだ。 だがこれではなかなか品川には届かないだろう、 と僕は思っている。   品川は品川で、少しよく言えば天然、 悪く言えば何も考えていないので、気の毒に思う。 でもそんな幼稚なアピールしか出来ない秦野も問題なのだが、 毎日見ている分には楽しいので、 今のところ僕は静観している。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加