第1話

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秦野は品川にはよく手を出すが、面倒見がいい。 上に結婚した兄とその嫁、その子供、 両親、祖父母と暮らしている。 秦野は高校に入ってから垢ぬけた感じがあった。 蕾のままだった花がやっと開いたという感じだろうか。 派手な顔でも出で立ちでもないのに、周りを明るくする。 相模は中学の時に転校してきて、引っ込み思案だったが、 秦野が持ち前の世話好きを発揮し、 以前よりは自分の意見を言うようになっていた。 毎朝教室では至る所で、持ち寄った情報を交換しながら ディスカッションのようなことをしている。 それが僕達、葉山第一高校二年A組。 毎日違う事と言えば、天気と授業内容。 他はさほど変わりがない、平和な学校だった。
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