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 裕子は飲みながら、またも自分は何をやっているんだ、という思いに駆られた。 勢い任せもいいところだ。 ただ、友人との昔の話をふと思い出し、簡単に検索して簡単にマウスでクリックをして、値段も写真もコースもろくに見ず読まず、そして龍二が来てしまった。 どうしていいのか戸惑いが出てしまい、裕子は自身の身体を固くさせた。 それは緊張も混じり、クーラーが効いているというのに背中に汗が一筋流れるのを感じた。 もしかしたら髪から垂れた雫かもしれない。 こんな思いは望んでいなかったはずだ。 ただ、今日は一人でいたくなかっただけなのに、と裕子は缶ビールを握り締める。 「……どうしたんですか?」  何分経ったか、煮えを切らしたのか龍二が声をかけてきた。 低く、重い龍二の声は裕子の耳を震わせ、身体を一瞬ほど震わせる。 静寂を保っていた裕子の部屋が妙にうるさくなった気がした。
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