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再びソファーの上に立ち乗ってから足を折り曲げ座り、それらを小さなガラステーブルの上に置いた。
かたん、と、がちっ、と、安物のジッポが煙草の箱の上から滑り落ち、ガラステーブルにがちゃん、と当たり鳴り、ガラステーブルの下に敷いた丸く小さな絨毯の上に落ちた。
銀色の少々錆びついているようにも見える安物のジッポは、雅文から貰ったものだ。
ゲームセンターにあるクレーンゲームでとっただとかで、煙草を吸う裕子にくれたのだ。
雅文は煙草を吸わない。
安物のジッポは、ごつごつした、大きな手の男の指の中にある。
龍二が拾い、ガラステーブルの上ではなく、裕子に渡してきた。
裕子はただ手のひらを上に向け、受け取ればいい。
だがそうはせずに、煙草を一本箱から取り出し、口に咥えた。
ホストクラブなんかでは、煙草の火をつけてくれるというサービスがある。
ただのお遊びだが、緊張のほぐすための冗談のつもりだ。
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