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顔は赤くないか、変な顔は見せなかったかを手のひらや指で調べるも、わからない。 どこで気づいたかも、わからない。 龍二は、つい先ほど会ったばかりの裕子にどうしてそう言ったのか。  裕子は煙草を一吸いし、吐き出した時に察した。 大体、出張ホストを頼む女なんて、何かあるに決まっているんだ。 だが確証などどこにもない。 裕子がただ思うだけ。 それに他の女がどうだろうと、裕子は裕子だ。 比較する事なんて、ない。 だがこうやって何かの理由付けをしようとするところから、自分に何か思うところがあるからだ、とそれも裕子は分かっていた。 「話、聞きますよ」  裕子は性感コースを予約した。 なのに、龍二は話をしようと、いや、聞こうとしている。 いきなり行為に及ぶなんて事はしないんだな、と思った。 思わず、ふっ、と笑ってしまった。 綺麗に整えられた眉の下にある瞳は真っ直ぐに裕子をとらえ、裕子の小さな笑いをも飲み込む。 さっきの笑いも消えた。
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