1207人が本棚に入れています
本棚に追加
「ずっと、連絡なかった。仕事が忙しいんだろうって思ってて。前に、付き合って一年くらいの時だったかな、三ヶ月連絡なかった事あったの。その時は本当に仕事が忙しくて、精神的に参ってた時だったから、放っておくって言い方はあれだけど、落ち着くまで連絡しなかったの。今回もそうかなってどこかで思ってたから、メールしなかったわ。しばらくして、さすがに連絡してみたんだけど、電話はとってくれないし、留守電もない。メールの返信もなかった……今回もそうなんだろうって、思ってたから……違ったけど、ね」
違うって、何なんだろう。
裕子が違っていたのかもしれない。
でも、でも、と続く言葉は今は何の意味もない。
「なんて、書いてあったんですか?」
裕子はノートパソコンを開き、雅文のブログを画面に映した。
龍二は前屈みになり、パソコン画面を見つめる。
裕子はソファーの背もたれにもたれかかり、天井に向かって息を吐いた。
自分の彼氏が打ち込んだ幸せな文字、絵文字らが頭の中で繰り返される。
浮かんでは消える。
そんな嘘をつく必要もない強がりはため息で吐かれる。
最初のコメントを投稿しよう!