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龍二は缶ビールを軽く凹むくらい握り締め、携帯電話を閉じ、ガラステーブルの上に置いた。
裕子はソファーを滑り、うなだれるように座ると足を組んだ。
そしてため息をつく。
本日、何回目のため息か。
誰かに話せば、龍二に話せば少しは楽になるか、と期待もあったが、話したところでこんなものだ。
ため息がまだ出るのが証拠。
復唱した真実を変えることは出来ない。
受け止められなくとも、ここに書かれている事は雅文の真実で、裕子に突きつけられたものなのだ。
「……悔しいっすね、なんすか、これ」
「全部本当よ。私はこのブログの主である雅文、『マサ』と付き合っていた。いいえ、まだ別れていないわ。自然消滅なんてくだらない付き合いでもなかった」
裕子と雅文の恋人関係は六年も続いている。
その間に、裕子は雅文の両親が住む実家にも伺った事がある。
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