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恋愛が自然消滅で終わるなんて、裕子には考えられない。
むしろ、そういう別れがどうやったら出来るのかが分からない。
そういう経験もないが、何よりも嫌悪感がある。
人なら、口があるならきちんと一言あるべきだと考えるからだ。
そういう筋というものを通さないなんて、許せない、大嫌い、そう、大嫌いだ。
たかが恋愛の男女のもつれかもしれない。
そのたかがは、裕子の中では重要なのだ。
人が人に関わっているのだから。
それほど、今の裕子を大きく揺らしているからに他ならない。
まして、他に女がいるというのなら、それはそれで説明も、欲しい。
「何も、しないんですか?」
龍二が発した問いに、はっ、とした裕子は、蘇る過去から戻った。
蘇るなんて、近すぎて笑えるが思い出というよりは、過去と表したい。
「……何も、しない?」
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