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「ぐっ……まさか……我が……人間に、やられ……よう……とは…な」
3mは超える巨体を持ち、肌が黒く、背中にコウモリのような羽を生やした男が、瓦礫に倒れかかって、血を吐きながら言う
「フハハハ、魔王などと名乗っても所詮は雑種……この神をも凌駕する力の前には貴様など有象無象の1つに過ぎん」
金の鎧で全身を包み、金髪をツンツンに逆立てた髪型の青年が、偉そうに腕を組んで高笑いする
「取りあえず落ち着こうか、ってかそもそも君特に何もしてないだろ?」
俺はそれに、冷たい視線を浴びせて宥める
「ムッ、我の働きを愚弄するか式(しき)」
このキンキラキンのバカが言った、式ってのが俺の名前
秋峰 式(あきみね しき) 16歳
この世界最強のZランクで二つ名は『全魔』だ
「別にそういうわけじゃないさ、それより早く国王に魔王を倒したって報告をしに帰るよ」
俺はそう言って踵を返す
「うむ、そうだな……これでようやく平和が訪れる」
平和……か……
「ま、だといいな……まだ解決されていない問題は山積みだがな」
「うむ、そうだな……では、一足先に帰っているぞ『転移』」
キンキラキンバカ、そう言うと転移でこの場から去っていった
「それじゃ、俺も…『転移』」
俺も残り少ない魔力を振り絞って、転移で国王の待つ王城へと向かう
◇◆◇◆
「無事、魔王討伐に成功いたしました、国王陛下」
俺は、国王の前で膝をついて、そう報告をする
「そ……それは誠か?」
「ええ」
「そ…そうか…そうか……2年以上にも及ぶ長旅、ご苦労であった、今宵は我が城でゆっくりと休むが良い」
国王は、笑みをこぼしながらよくやってくれたと、何度も呟く
「では、お言葉に甘えて」
俺は、このあと執事案内されて、部屋へと向かった
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