撲殺

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 バキィ、良い音がした。ナイス。ナイスだお姉さん。本当に良いパンチだ。一周まわって気持ちのいいパンチじゃないか! すごい! すごいぞお姉さん! もっと! もっとだ!  「もっとです! もっと殴ってください!」  バキィ、すげぇ良い音がした。グレイト!  「いい! もっと! もっとだ! もっと殴って! 殴って! カモン!」  バキィ、半端なく気持ちいのいい音がした。エクセレント!  「もっと殴って! もっと殴って!」  「ヘイヘイヘイ!」  バチン。バチン。バチン。  「殴って!」  「ヘイ!」  バキン。バキン。バキン。  「殴って!」  「ヘイ!」  ボゴン。ボゴン。ボゴン。  「イエス!」  「イエス!」  ドゴン。ドゴン。ドゴン。  「カモン!」  「オーイエ!」  そしてトドメにストレートフィニッシュ!     スパァアアアアアン! すさまじい右ストレートが僕の顔面を突き抜けた。オーイエェ……ナイスパンチ! イエスパンチ! よきパンチだお姉さん……!  意識が無くなる寸前、僕は最後の最後までお姉さんを高く評価した。  こうしてお姉さんはプロボクサーに、僕はそのトレーナーとして一躍有名となった。
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