朝の勤め

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「んーーー」 と、言いながら目覚める。 伸びをしたいところだが、まだ完治していないのでできない。そのかわりに首を回すと、ゴキゴキと鈍い音がなった。 「あーーー。………ねむ」 手で口を隠さず豪快に大きなあくびをするうちの姿は女とはとても思いないだろう。 彼らと出会い数日が過ぎた。 季節は夏。 現代の夏よりは少し涼しく感じる。 そしてみんなの助けもあり、ここでの生活も慣れつつあった。初めの頃は何も知らなさすぎて、みんなに酷く驚かれたのを思い出す。 怪我はまだ完治しておらず、練習には参加していなかった……というより近藤さんがさせてくれなかった。 しかも、彼は「怪我人だから」と手伝いすらさせてくれなかった。 正直、家での扱いを思い出すと過保護過ぎだと思うが、近藤さんの言いつけなのでちゃんと守っている。 なので、うちはこの数日、自分のできることを探し続けていた。 「あーあ。めんどくさいけど行きますか」 そして唯一できること見つけたのだ。うちは自分のことを済ませ部屋を後にした。
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