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式もつつがなく終わり、クラスに俺たちは戻った。
「皆さん、おはようございます。
この1年A組を担当します音楽科の……──」
相変わらず緊張した様子でテンプレート通りの初めの挨拶をすると、髪を揺らし、背伸びをしながら自分の名前を書いていった。
性格が現れているんだろう、繊細な字だった。
──桜井静華
それが彼女の名前だった。
どこから飛んできたんだろう、敷地内には咲いてないはずの桜の花びらが4月の麗らかな日差しに透けた。
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