盲点

19/20
前へ
/813ページ
次へ
陸と駅で別れ、電車に乗り込んだ。 ラッシュも落ち着いた社内を抜け、最寄りの駅に降りる。 けど、 どうしても足が家に向かわなくてホームのベンチに座った。 とっぷりと暮れた空に輝く満月。 結構自分では空気とか読むのが得意な方だと思ってた。 でももしかして自分のことは例外だったのかも。 ポケットからミルキーとスマホを取り出す。 ラインのアイコンをタップして画面を開く。 ころころとミルキーを舌の上で転がしながら画面を見つめる。 文字を打っては消し、またしばらく画面とにらみ合い。 どれくらいそうしてたんだろう。 ホームに人影がまばらになっていたことに気付いた。
/813ページ

最初のコメントを投稿しよう!

337人が本棚に入れています
本棚に追加