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「神楽目指してんならさ、ファッション雑誌くらい見ろ
そんなんだから芋っぽさが身体中に染み付いて抜けきらねーんだ」
どこかしら親近感のわく澤田に、普段なら社員にこんな口のききかたをしない俺も、素を出してそう言った
「社長。神楽役員に言われるならまだしも。
それはパワハラならぬセクハラに近くないでしょうか」
「お前、そのまんまだと営業どころか秘書だってどこも雇ってもらえねーぞ」
「……」
心当たりはさすがにあるのか、澤田は黙りこんだ
「まぁ、ダメって言ってるんじゃなくてさ。
見込みがないわけじゃないんだから、頑張れば?って話。
その辺のめん玉に玉の輿¥マークの女社員よりは、マシなんじゃないの?」
少し不憫に感じてそういうと、
「玉の輿、ですか。
そういうのも、今の社長にはいいんじゃないですか?
では。朝食の準備してありますので、あちらでお待ちしてます」
やけに堅苦しい物言いで澤田はパタンと扉を閉めて行ってしまった
神楽増設機でもどっかに仕込んでんのか?
そっくりだ
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