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――ーー
夕方。
社長がいない日は、恐ろしい程に時間がゆっくりと流れる
静けさの中、電話のコール音が鳴り響く
「お電話ありがとうございます。高橋コーポレーションです」
コール音が2回鳴った瞬間、受話器をとってそう口にする
「ああ、澤田?」
ちょっと偉そうな声で、社長が言った
「お疲れ様です。澤田です」
機械的にそう答えた私に、
「俺今日直帰するから。何かあったら携帯に連絡くれ。」
「かしこまりました。お疲れ様です」
何となく胸を撫で下ろし、受話器を置いた
ちょっと、なんていうか。
やはり、背徳感がいなめない
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