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--12.波乱の幕開け--
遂に来てしまった。
運命の日曜日。
出来れば来て欲しくなかった。
しかし,文句を言ってももう遅い。
何故ならば今隣には逢沢が居るから!!!!
「おはよう,佐藤。
気持ちのいい朝だね」
なんて何処かの漫画のような台詞を言った。
正直寒気がした。
本当に今は春なのだろうか。
入学して間もないのにデート。
しかも何とも思っていないクラスメイトの彼奴。
謝る気があるならデートしろとか完全自己満足だろ。
本当に自分勝手なのも甚だしいよな。
それはそうと一言言わせて下さい。
「逢沢」
「どうした佐藤」
「近いんですけど」
「当たり前だろう,デートなんだから」
何を言ってるんだ此奴は。
「あのさ,一言言っていい?」
「なんだ?」
「逢沢は外国暮らしが長いからこんな馴れ馴れしいのも当たり前なんだよな?
でも俺には耐性がないから控えてくれるかな?」
「…そうか,済まなかった。
向こうでは当たり前だから,カルチャーショックって奴だな」
「あーそうだね,でも無理しなくてもいいから!」
何言ってんだ俺は。
馴れ馴れしくしてもいいよ別にって肯定してるみたいじゃねぇか!
「そうか,なら無理はしない範囲で馴れ馴れしくさせてもらうよ」
ほら言うと思った。
てか予想通りの反応だ。
朝から沢山のカップルが横切る。
俺は何故好きでもない此奴と歩かないといけないのか。
「佐藤」
次は何を言われるんだ?
変な事言わなきゃいいけど…
「手,繋いで歩かないか?」
はい?
突然の発言に固まる俺。
いやいや,何言ってんの逢沢さん。
さっき俺が言った事もう忘れちゃったの?
それも馴れ馴れしいんだって!
「駄目か?」
顔が近い,いい加減理解しろ帰国子女。
御前は何処まで馴れ馴れしいんだよ。
「いやいや,駄目だろ…!
俺等は付き合ってないんだし無理無理!!!!」
「なら,付き合えば良いんだな?」
違ーう!!!!
ふざけないでくれ,御前となんて一生御免だ。
本当何なの帰国子女。
俺は純粋な日本人だ,御前も日本人だろ?
違うの,ハーフなの?
え,そんなの知らないよどっちかなんて。
「それとこれとは関係…」
「問答無用」
そう言って無表情だったが,僅かに微笑んだ。
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