【旋 律】前編 第二章

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「あら、本当。おうちの鍵だね。誰か落としたのかな」 円香は亜美から鍵を受け取るなり、近くで遊んでいる子供達に「これ、拾ったんだけど、あなた達のじゃない?」と尋ねて歩いた。 「ううん、違うよ」 子供達は口々にそう答えた。 「そっかぁ、落とした人、困ってるよね……。 ちょっと歩くけど、交番に届けようか」 円香が独り言のように呟くと、亜美は「交番?」と首を傾げた。 交番は徒歩で10分先の駅にある。 亜美を連れて歩くとなると、15分以上はかかるだろう。 家に戻り自転車で向うことも出来るけど、せっかくなので散歩ついでに歩いていこう。 円香は鍵をポケットに入れ、さて、交番に向かおうと思った瞬間、 毎朝すれ違う高校生三人が公園内に入って来た。
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