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――――…
亜美を寝かし付けた後、円香はソファーに座り読み掛けの本に目を通した。
和馬に『本くらい読め』と言われたことを気にした為だった。
しばらく本に目を通し、息をつき、時計を見た。
もうすぐ11時になる……そろそろかな?
そう思った瞬間、円香の携帯電話がメールを受信した。
『駅に着いた』
その簡単なメールを確認すると、円香はキッチンに向かった。
いつものように食事の用意ができる頃、和馬が帰宅した。
「お帰りなさい」
和馬は「ああ」と呟き、冷蔵庫を開け、顔をしかめた。
「おい、ビールは?」
「あっ、ごめんなさい、もうなかった?」
円香が慌てると、
「なんだよ、仕事で疲れて帰って来てからの楽しみなんだから、忘れるなよ」
とブツブツ言い、イライラした様子で棚からウィスキーを出した。
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