1039人が本棚に入れています
本棚に追加
「ごめんなさい」
円香はシュンとしながらウィスキー用のグラスと氷を用意した。
和馬はブスッとした様子で、テレビを見ていた。
そして和馬は食事を終えたあと、円香が食器を洗っている間、無言のまま浴室に入って行った。
円香は棘のある彼の雰囲気に居たたまれない気持ちの中、食器を洗い終え、息をついた。
いつからだろう……こんな毎日。
会話らしい会話もなく、ただ、枯れたような毎日。
ずっと、こんな毎日なのかな?
円香は重い気持ちのままソファーに座っていると、和馬は入浴後リヒングを素通りし、何も言わずに寝室へ向かった。
えっ? もう寝ちゃうの?
円香が慌ててリビングの電気を消し、寝室に向かうと、和馬は既にベッドに横たわり、いびきをかいていた。
最初のコメントを投稿しよう!