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「広瀬、懐かれたなぁ、楓ちゃんだってよ」
「きっと、俺の優しさが滲み出てるんだよ」
「よく言うよ、でも、あの子かわいいよな」
すれ違った後、そんな会話が耳に届き、円香は照れ臭いような気持ちの中、笑みを浮かべた。
少し恥ずかしいけど、これから朝の楽しみがパワーアップしたかも。
……それにしても、楓君って優しい子なんだなぁ。
昨日も亜美と話す時、ちゃんとしゃがんで目を見て話してくれていたし……。
綺麗な目をした、聡明そうな男の子。
挨拶を交わせるようになったなんて信じられない。
円香は今朝の重苦しさを忘れ、晴れやかに歩き出した。
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