865人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
「そうだったんですか……楓君、かわいいですね」
円香が微笑ましさに目を細めると、恵美は目を伏せ息をついた。
「かわいいでしょう?
でも切ない事情があったのよ。
楓の父親、つまり今の私の旦那は私と結婚したいが為に、楓を自分の親に……楓にとっては祖父母の家に預けようと思ったみたいなの。
そのことを察した楓は自分が捨てられたくなくて、必死で私に頭を下げに来たのよ。
……その事実は後で知ったんだけどね……」
思いもしない事実に、円香は言葉を失った。
最初のコメントを投稿しよう!