【旋 律】前編 第四章

11/24
前へ
/24ページ
次へ
  「じゃあ、私、駅前をうろついているから、映画終わったら携帯に電話してね」 「ああ、じゃあ亜美、行こう」 和馬が亜美の手を引き、シネマに向かう背中を見送ったあと、 久々に一人で自由にショッピングできる喜びに円香は頬を緩ませた。 一人でショッピング楽しめるなんて一体何年ぶりだろう? たったこれだけのことなのに、物凄く嬉しくて幸せ! 円香は感激しつつ、気に入っているショップに入っては、洋服を眺めた。 いつもは時間がかかるものの、今日ばかりはたまたま頭でイメージしていたトップスがすぐ見付かり、チャンスとばかりにすぐさま購入した。 欲しかった服が手に入り、空いた時間はカフェに入ろうかと胸を弾ませながらショッピングモール内を歩き、 ふとコンタクトショップの前を通過して、足を止めた。  
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

866人が本棚に入れています
本棚に追加