【旋 律】前編 第四章

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  楓君が『バリバリした人』って言ってた意味が分かる気がするなぁ。 仕事とかも凄く出来そうで、なんだかカッコイイ。 円香はそんなことを思いながら椅子に座ると、 「コーヒーをどうぞ」 と恵美はプラスチックコップに入ったコーヒーを円香の前に置いた。 「ありがとうございます」 円香はゆっくりコーヒーを口に運び、 「……私のこと、すぐ分かって驚きました。 楓君、お母さんに全部、話しているんですね」 と感心しながらそう告げると、恵美は少し苦笑を浮かべて、肩をすぼめた。 「……そうね、あの子はがんばってくれているわ」 向かい側に座りながらそう告げた恵美に、  がんばる? それってどういうことなんだろう? と円香は戸惑いつつ、顔を上げた。  
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