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「私は奥さんの相談に乗り切れずに自殺させてしまった後ろめたさから、色々なアドバイスをしに何度もご主人の所に足を運ぶようになったの。
そうしてお金を含めて色々な問題が片付いて、ホッとした頃だったかしら、ご主人が私に好意を持ちはじめて来てくれたのね。
その内に、私も同じ気持ちになって来て、結婚も考えるようになったわ。
でも私の親は、当然のように子持ちの彼との結婚に猛反対で、私もいきなり継母になるのが不安で凄く悩んでいたの。
そうしたら、そんな頃ね……」
恵美は思い出したように顔を上げ、遠い目を見せた。
「楓が私の所にやって来て、『僕のお母さんになってください』って目にいっぱい涙を溜めて頭を下げたのよ。
……そんな楓がもうかわいくて、この子とならやっていけると思って、結婚を決意したの」
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