【旋 律】前編 第四章

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  和馬との待ち合わせ場所に近付くと、亜美が「ママー!」と元気に駆け寄ってきた。 「亜美、映画どうだった? 面白かった?」 「うん、でもね、パパ、グーグー寝てたんだよ」 口を尖らせながら言う亜美に、円香はプッと笑った。 「おかげで、スッキリしたよ。さて、何か食べて帰ろうか」 笑顔でそう言った和馬に、 「えっ?いいの?」 と円香は目を輝かせた。 「たまにはな」 サラリとそう言った和馬に、 「わーい、お店のご飯!」 と亜美はバンザイした。 「わぁ、嬉しいね、亜美。じゃあ美味しい所に行こうか」 「うん!」 無邪気に会話する円香と亜美を見て、和馬は微笑ましい気持ちになっていた。 家で見る円香は、朝はノーメイクの部屋着姿で、夜はパジャマ姿。 こうしてお洒落をしてメイクをしている円香は、独身だったころと比べて陰りが見えてきたとはいえ、やはりまだかわいらしかった。  
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