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和馬との待ち合わせ場所に近付くと、亜美が「ママー!」と元気に駆け寄ってきた。
「亜美、映画どうだった?
面白かった?」
「うん、でもね、パパ、グーグー寝てたんだよ」
口を尖らせながら言う亜美に、円香はプッと笑った。
「おかげで、スッキリしたよ。さて、何か食べて帰ろうか」
笑顔でそう言った和馬に、
「えっ?いいの?」
と円香は目を輝かせた。
「たまにはな」
サラリとそう言った和馬に、
「わーい、お店のご飯!」
と亜美はバンザイした。
「わぁ、嬉しいね、亜美。じゃあ美味しい所に行こうか」
「うん!」
無邪気に会話する円香と亜美を見て、和馬は微笑ましい気持ちになっていた。
家で見る円香は、朝はノーメイクの部屋着姿で、夜はパジャマ姿。
こうしてお洒落をしてメイクをしている円香は、独身だったころと比べて陰りが見えてきたとはいえ、やはりまだかわいらしかった。
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