866人が本棚に入れています
本棚に追加
.
――――…
東京駅で久しぶりに彼・杉田裕也と再会した、美佳は満面の笑みで大きく手を振りながら彼に駆け寄った。
「オッス、裕也。少し痩せた?」
美佳は学生時代アメフト部だったと言う、大柄の裕也の腕にからんだ。
「まぁな、最近忙しくてよ。そういう美佳は太ったんじゃねぇ?」
裕也はイタズラに笑って、美佳の頬を軽くつまんだ。
屈託ない笑顔の、大柄に似つかわしくない童顔の青年だ。
「久しぶりに会った彼女に対して、開口一番にその言葉ないわ。それに太ってないわよ」
「冗談だって、美佳は相変わらずだな」
「相変わらず、なによ」
「ん? まぁ、相変わらずってことだよ」
アハハと笑う裕也に、美佳は口を尖らせた。
最初のコメントを投稿しよう!