【旋 律】前編 第五章

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  慌てて家を出て行った和馬の姿に、 「パパ、今日、お休みなのにお仕事なの?」 と亜美は小首を傾げながら円香を見上げた。 「そう、お仕事になっちゃったみたい。 じゃあ亜美、ママと公園に行こうか」 「うん、行く行く!」 元気に玄関に走る亜美の手を取り、 円香はそのまま亜美を連れて近所の公園に訪れた。 いつもは賑やかな公園も、今日ばかりはひと気がなく、 そうか、三連休中だものね、家族で出かけているんだろうな、 と円香は小さく息をつき、亜美がすべり台で遊ぶ様子を眺めながらベンチに腰をかけた。  
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